FPoSの近況報告

こんにちは。久しぶりの投稿になります。

世の中はちょっと大変な様相を呈しており、当社も時差出退勤やテレワークなどを併用して取り組んでいます。テレワーク用の通信機器やSIMのご要望もいただいているため、急遽製品を用意し、当社オンラインストアで販売しています。

さて、そんな状況の中、FPoSについては引き続き商用化に向けた取り組みを進めています。昨年9月以降、インターネットバンキングにおける不正送金が急増し、しかもワンタイムパスワードを突破する手法が用いられていることからも、FPoSに対する銀行からの引き合いが増加しました。金融庁としては、「高度化・巧妙化する犯罪手法への対策」が必要で、FPoSはその点、対応可能とされていることから、ワンタイムパスワードを使っている銀行からは特に高いご評価をいただいています。

特にFPoSで目指している共通プラットフォームとしての取り組みについては、これが実現されれば乗らない銀行はないでしょう!と多くの銀行から期待されており、私としては第2フェーズで考えていた共通プラットフォーム化を、現在は前倒しする方向で調整を進めています。

銀行が一行一行、それぞれセキュリティ対策を打ち、業界全体では非効率なコストをかけていること、さらに複数行を使っている利用者から見ると、各銀行ごとに異なるセキュリティ対策を覚えて実施するという煩雑さがあり、この2つの課題が一気に解決するからです。提供者側(銀行やクレジットカード会社、モバイルペイメント事業者など)にとってはセキュリティコストを大幅に下げられ、かつ利用者側にとっては利便性が高まる仕組みなので、実現すれば乗らないところはないでしょう、とご理解いただいているものと思います。

2月初めにパキスタンへ行ってきました。昨年11月に発表したインドネシアとの取り組みが他国にも波及したことから、パキスタンで先方の大臣複数人と集中した会議を行い、FPoSが生み出すモバイル・デジタルID戦略について協議してきたものです。パキスタンはあと20年程度で世界第3位の人口を有する国になると予測されていて、しかも人口の63%が30才以下という、日本とは真逆の人口分布構成の国です。しかもITが強い。シリコンバレー企業の中でも今はパキスタンでの開発を進めているところが多くなってきています。

様々な省庁を訪問しても、どこのオフィスも、Digital Pakistanという標語が掲げられていて、かつ大臣や役所の幹部のIT知識や理解力が素晴らしく、会議をしていてもとても楽しく、未来志向で有意義なものでした。

当社としては、SIMの供給は行いますし、FPoS関連のライセンス提供は行いますとはっきり伝えてあります。ただし、当社が現地法人を作ってということは全く考えていません。特にデジタルIDとしては、その中心はやはり現地資本がやるべきだと考えているからです。もちろん現在の当社にはその余力もないことも小さな理由の一つではありますが。

インドネシアやパキスタン、あるいはインド他の国でFPoSを高くご評価いただいている理由の一つは、フィーチャーフォンでもバンキングやペイメントができるという点です。日本にいると基本はスマートフォンで、フィーチャーフォン(日本で言うところのガラケー)のことは眼中にない感じになっています。しかし上記の国々では、多少の差はありますが、4〜5割はフィーチャーフォンなので、スマートフォンでも使え、かつフィーチャーフォンでも使えることが重要になります。しかしフィーチャーフォンは、スマホと違い、アプリケーションが乗らないと言う大きな問題があります。FPoSで使用するsubSIM(貼るSIM)は、SIMそのものにJavaアプレットを搭載し、フィーチャーフォンの画面とテンキーを使って操作できるため、バンキングやモバイルペイメントが可能です。この点は海外、特にアジアに行った場合にFPoSが高い評価をいただける特徴になっています。

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